サッカー・野球・ラグビー・陸上など…各スポーツ界で活躍する監督達。
それぞれの世界で活躍される彼らは皆とても個性的で、かつ、それぞれキャラクターも異なる人たちです。
そんな彼らのマインドセットを、本から学んでみたい思いました。
彼らの自著もあれば、他の人から見た著書もあり…。
実際に私が手にとってみた6冊を、今回は紹介したいと思います。
興味が湧いたら、ぜひ手に取ってみてください。
森保一の決める技法
スポーツジャーナリストである二宮清純氏の著作。
彼の目線から見たサッカー日本代表監督・森保一氏の「決める」ことについて書かれた本です。
「決める」というと「ゴールを決める」ということを想像してしまいますが、注目すべきはそこではなく、彼の決断だということ。
この本は、森保氏の決断の仕方について、選手時代から監督に至るまでの経緯と共に描かれています。
私はサッカーに疎く、森保氏が現役だった頃の活躍ぶりを知りませんでした。
しかし、この本でその道筋を辿っていくと、そんなに素晴らしい選手だったのか…と感じざるを得ませんでした。
森保監督という人物の現役時代を知りたくて、思わず検索をかけると、彼のJリーグや代表戦のゴールシーンも見ることができます。
よくよく見てみると、オイシイ位置に常に彼が現れることがわかります。
嗅覚の良さと、ほぼゴールエリア外のミドルシュートが印象的!
著書の中でも、対戦相手の監督から嫌がられるような描写もありました。
つまり、それだけ優秀な選手であって、その場でスピーディーに「決める」ことに長けていた、ということなのでしょう。
長年培ってきたその「決める」技法を覗いてみませんか。
取材に定評のある二宮氏の目線からその道程を辿ると、彼の代表監督の活躍ぶりから私たちが学べることも、多くあると気づけるはずです。
栗山ノート
WBCで日本代表監督を務めた栗山英樹さんの著書。
彼の現役時代はメニエール病との戦いで、7年という短い期間で引退となりました。
解説者・ジャーナリストとして、その後のセカンドキャリアを歩んでいくことになります。
その中で多くの本、主に古典から学び、それを日々の出来事に当てはめ、ノートに記していく。
そのノートの内容を、この本では余すところなく紹介してくれています。
私もこれを手に取った頃、偶然ですが同じくメニエール病になり、自分ごとのように感じながら頁を進めました。
栗山氏がメニエール病だったことは、この本を通して知ったことであり、事前に何も知らない状況でした。
この病気で短い現役時代にピリオドを打ったこと。
そして、多くの本と触れ、ノートに本から学んだことを自分の生活に当てはめ、アウトプットし続けたこと。
かつて、中野信子さんの著書『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』に書かれていた一節「本は自分で選び学ぶことのできる先生」を思い出します。
栗山さんの学ぶ姿勢はとても素晴らしく、私も見習いたいと感じました。
栗山氏自身が読んだ本も紹介されていますので、気になる本があったらピックアップし、同じように読んでみても良いかもしれません。
読書ガイドとしても、お勧めしたい1冊です。
ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング
ラグビー元日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジョーンズ氏の著書。
2015年のワールドカップで南アフリカに勝利した時、五郎丸選手が活躍した頃のヘッドコーチといえばわかりやすいかと思います。
この歴史的な勝利は、いつ見ても感動モノですね。
一部外国人がいるとはいえ、他国の代表選手に比べて体格的に大きくない日本代表チームが勝つためには、どのような考え方が必要なのか?
彼は日本人が持つ特徴に着目し、それを活かす「ハードワーク」を考え、実践してきました。
この本にはそのエッセンスが記されています。
エディー・ジョーンズ氏は元々教師で、熱心な読書家でもあります。
彼は著書で、その中でも多くのビジネス書を読む、と告白しています。
彼は、どんな著者でも同じような内容を言っていたりすると思うことがよくあるそうです。
私も本を読んでいると、何となくですが、同じような感情を持つことがあります。
皆が同じことを言っているということは、その言葉はきっと原理原則なのでしょう。
新しいことを吸収することは本から学ぶ手法のひとつです。
本の中身に新鮮味はなくても、多くの本で共通して語られていることを原理原則として、自分の行動と照らし合わせて答え合わせをすることも、大切なのでは?と感じます。
南アフリカに勝利するまでに、ワールドカップで1勝しかできなかった日本代表を大躍進させた彼のマインドセット、この本からぜひ学んでみませんか?
野村ノート
この野村克也氏の「野村ノート」も魅力的な内容となっています。
主に野球の戦術や理論になっていますが、
- データ分析の大切さ
- 選手育成
- チームワーク
- 勝利への執念
が主なポイントになってくるでしょう。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」
データ分析を常とし、ID野球を体系立てて、過去にこのような名言を残した野村氏ですが、個性や状況から「勘」も重視してたのは新鮮と感じます。
それでも選手時代に周囲が「勘」に頼って野球をしていた頃に、色々と分析を重ねた点は、やはり勉強熱心だったのだろうと思います。
他にも社会人としてのあり方を説くなど、野球だけができる人ではいけないという思考も、これも色々と学びを重ねてきて、教え子の選手たちに伝えたかったのでしょう。
栗山氏とはあまり仲が良くなかったと噂されていますが、両氏共に勉強熱心であり、ある意味で「似た者同士」だったがゆえ、磁石のように反発し合ってしまったのかもしれません。
本人たちの問題であり、想像の域を超えませんが、私はなんとなくそう思っています。
私達に応用できるような考え方も多いので、読む価値を感じられる1冊です。
栗山ノートと比較して読んでみるのも、面白いかもしれません。
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
元日刊スポーツ記者であった鈴木忠平氏が、落合博満氏が監督時代に番記者だった体験を元に書き記された著書。
落合氏を間近に見、交わした会話から見えてくる人物像がここにあります。
仕事をやり遂げるという意味で、落合氏はやはりプロフェッショナルだと強く感じます。
監督となったミッションは、中日を日本一にすること。
実際に落合氏は中日を53年ぶりの日本一に導き、また、セ・リーグ優勝8回、日本シリーズ出場5回という実績を残しています。
書籍では「優勝させるために」チームビルドをしていく姿、また、選手との接し方についても丁寧に描かれており、落合氏の仕事への姿勢を感じ取れると思います。
一方でコミュニケーションにおいて不器用な面もあり、冷静に「優勝」に向けて進む姿が、ファンや周囲の感情的な部分を反発させる結果となったことも描かれています。
象徴的だったのは、日本シリーズの山井投手から岩瀬投手へのスイッチについて。
8回までパーフェクトで投げきっていた山井投手を、守護神岩瀬投手へ変えたこの場面についても記されています。
この場面は誰もが驚いたと思っていますが、一方で「日本一」というミッションを忠実に実行するために仕事を果たした落合氏の姿勢について、周囲から様々な感情が入ってきます。
色んな意見もあったかと思いますが、仕事の結果という意味でこの場面を乗り切った落合氏のプロフェショナルな「姿勢」は、私が言うのも僭越ですが、大変評価されるものではないかと感じてしまうのです。
落合氏のプロとしての姿勢、これも学ぶべきことが多かったです。
フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉
青学の陸上競技部・男子長距離ブロック監督である、原晋氏の著書。
自身の会社員時代の話から、青学を強化していくまでの道のりを47の言葉に集約して伝えてくれています。
原氏の現役から中国電力の会社員時代についても触れられており、順風満帆ではなかったことにも触れています。
原氏のその時代のことは知りませんでしたし、とても興味深く感じられました。
気になったキーワードは「常識を疑う」「目標設定」「人間性の重視」「覚悟」。
会社員を経験し、陸上とは別の世界を経験した原氏の言葉は、やはり原理原則なのでしょう。
原氏は陸上のマネジメントに「目標設定」らしきものがなかったことに、驚いたといいます。
会社員、特に営業を経験した人は常に「目標」がつきまといますし、経営者も同様だと思います。
ビジネスの世界では、その目標を達成するためのKPI思考だったり、One on Oneでの面談があったりするのですが、陸上界で同様の手法を導入し、これらの手法は原理原則であり、かつ有効であると原氏は証明してくれたものなのだと感じました。
原氏の言葉は、一見軽く発言しているように見えることもありますが、誰もがわかりやすく咀嚼して伝えてくれているものだと思います。
難しい言葉だと、やはり伝わりません。
原氏の言葉は、軽そうでいて、実は重いのです。
まとめ:監督たちの姿勢や言葉は、私達がアップデートするヒントの宝庫
一部ではありますが、サッカー、野球、ラグビー、陸上のそれぞれの監督に関する著書をピックアップしてみました。
各監督はそれぞれ実績を残され、活躍されてきた方々ばかりです。
共通している点は、やはり経験から学び、それを実践して結果を残してきたということ。
学ぶことを止めてしまえば、現状維持という「退化」となってしまいます。
彼らのようにアップデートしていく姿勢を、これらの著書から学んでみませんか?
スポーツの世界の背景にあるものから私達がアップデートするヒントも、きっと多いはずです。
私は主にkindlePaperwhiteとAudibleでの読書を楽しんでいます。
kindlePaperwhiteはスマホ読書と違い通知が来ないので、読書に集中できるだけでなく、目にも優しいと感じています。
スキマを見ては楽天マガジンのサービスを活用して、iPadで雑誌を眺めたりもしています。
月418円で1,000誌以上見ることができ、1冊程度の価格でペイできるので愛用しています。
また、Audibleやオーディオブックは「耳活」として、家事などの作業に取り組みながら読書をするのに最適だと思っています。
耳活については別の記事でまとめていますので、よろしければ併せてご覧ください。
それではまた!
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