いきなりですが、結論から言うと「読んでみてすごく良かった」の一言です。
タイトルの通りなのですが、この本を読んでみて感じたことと、実践したいと思ったことを徒然と書きたいと思います。
著者の中島聡さんについて
中島聡氏は、元マイクロソフトの開発者であり、Windowsの32ビット版アーキテクチャの主要な設計者だったそうです。
私は中島さんの経歴について一切知識なくこの本を読み始めましたが、あのWindows95を作った1人と知り、感慨深いものがありました。
なぜなら、あの熱狂した時代を知っているからです。
当時、まだ学校のPCもMS-DOSという真っ黒な画面しかなかった時代。
Windowsという「革命」は、まさに衝撃的でした。
当時、まだ自分のPCを買うお金はなかったんですけどね。
頁を進めるにつれ、中島さんの幼い頃の原点から発生した思考と発想は、とても凡人の私には持ち合わせていないものと感じる始末でした。
とはいえ、こんな考え方があるのかという、なにか突き動かされるものを感じたのも事実です。
技術的な天才とも称される彼ですが、キャリアの途中で「自分の仕事の進め方に改善の余地がある」と気づき、試行錯誤の末に編み出した働き方を、この本にまとめています。
彼の背景は、単なる働き方改革のアドバイザーとは異なり、実際にエンジニアとして厳しいプロジェクトに取り組む中で培われたものです。
その経験から、私たちが日常的に直面する「仕事が終わらない」という問題に対して、実用的な解決策を提案してくれています。
この本で印象に残ったこと
私が印象に残ったこの本の考え方は以下のとおりです。
- ロケットスタート仕事術
- ・10日後に締め切りの仕事は最初の2割を「界王拳」で終わらせる
・早く終わらせるのではなく、残りの8割は余白を持って流せ(どこまでも2:8) - 仕事の仕方
- ・脳の老廃物を消し去るために昼寝をする
・マルチタスクをやめる
・タスクを分割して考える - 人生のこと
- ・目的のない勉強は意味がない
・崖を飛び降りながら飛行機を組み立てる
・仕事は「頼まれなくても自分から喜んで残業するほど楽しい仕事か」どうかで選ぶべき
・やりたいことには思い切って飛び込む
・自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せになれない
順を追って見ていきたいと思います。
ロケットスタート仕事術
最初の2割を「界王拳」で終わらせる
中島さんは子供の頃、夏休みが終わる3日前に親戚のおじさんに海へ行くことを誘われたそうです。
しかし、お母様に宿題が終わっていないことを理由に、行かせてもらえなかったそうです。
悔しい思いをしたので、翌年は2週間で宿題を終わらせ、残り3週間は自由な時間を作ることができたのだとか。
これが強烈な体験となり、ロケットスタートの原点となったとのことでした。
中島さんは「界王拳」に例えてストーリーを語っています。
この界王拳の倍率も、またシチュエーションによって変化するようです。
さらにこれで味をしめて、前倒しで何事も取り組むことになり、それが今に続いているというのです。
その後の「予習したほうが効率があがる」というのも、腹落ちしました。
このエピソードは3章に書いてあるのですが、この勉強法や取り組む姿勢に正直感銘を受けました。
モチベーションは自由な自分の時間を確保するためだったのですが、その徹底的な時短&効率化の考え方は本当にすごい。
この章だけでも、読む価値があると思います。
子供の頃に、正直知りたかったです。
それを子供の頃に発想してしまう中島さん、やはりすごい人です。
早く終わらせるのではなく、残りの8割は余白を持って流せ(どこまでも2:8)
始めに全力で作業を見積もり、仕上げてしまうという発想。
で、早く終わらせるのではなく、残りの8割で完成度を高めていくのです。
この8割の「余白」もとても大切にされているようです。
仕事といっても色々な形態があります。
1日の仕事、期間が決められている仕事など、それらも2:8なんだそうです。
早く仕事を終わらせて報告してしまうと、次の仕事が降ってきます。
そうではなくて、期間の8割で完成度を高める仕事の仕方が大切ということ。
自分の仕事のやり方を見て、この発想はなかったなあと。
例えば就業時間を考えてみると、私はAM9時から18時までが定時なのですが、AMは3時間でPMは5時間あるので、本来は最初の1.6時間が「2割」ということになります。
しかしながら、この時間は朝イチ=10:30で締め切りのある仕事があるため、そこに時間を割くことができません。
なので、残りのAMで作業を全力である程度終わらせるようにし、その後は今自分が取り組んでいる課題のある仕事を「余白」を持って対処するという考え方にしてみました。
勿論人によって仕事は様々ですし、やっていることも違います。
それでもこの考え方を応用することで、仕事の景色が変わってくるように感じます。
仕事の仕方
脳の老廃物を消し去るために昼寝をする
これも激しく同意した考え方です。
眠くなる=脳の中にスラッジが溜まるイメージなので、これを解消するためには「寝る」ことが大切。
中島さんは就業時間でも、眠くなったら時間を決めて、更に環境を整えて「寝る」ことを実践されていたようですが、一般的な方々は、そんな環境は別世界です。
とはいえ、私も最近はちょっとだけ昼休みに「昼寝」をするようにしています。
中島さんの考え方と同様、老廃物が少し軽減されて眠気も治まる効能があるように感じます。
もちろん、夜にきちんと睡眠時間を確保することも、とても大切です。
よい生活を送るためには、やはりきちんと「寝る」ことが大切。
私も2024年は「睡眠の改善」がテーマだったので、これはとても刺さる内容です。
マルチタスクをやめる
最初の2割を達成するために、メールも見ない。
他の仕事も受け付けない。
この徹底した仕事の仕方で締め切りをきちんと守っていく。
期限のある仕事の仕方の要諦は、ここにあるのかもしれません。
この集中力のある仕事っぷりは、万人にはできない至難の業かもしれません。
しかし、その心意気を試す価値はやはりありそうです。
タスクを分割して考える
とは言っても、誰もが複数の仕事を抱えているもの。
締め切り=ゴールと考えて、それぞれの仕事を細切れに考えるのは、やはり大切です。
今、私は社内のRPAの仕事にも取り組んでいるのですが、これも「似ているな〜」と感じて頁を進めていました。
シナリオを考える際に、やはりタスクを細かく分割する必要があるのです。
PCにキチンと順番を決めて命令をしていかないと、どうしてもエラーが出てしまいます。
行き当たりばったりでシナリオを書いていくと、順番がおかしくなったりします。
これを防ぐためにもタスクを細切れにし、レゴブロックのようなパーツにしていくのです。
そして、これを組み上げていく…。
どんな仕事においてもゴールがあり、日々同時進行していきます。
それぞれのタスクの「進行表」を最初に「界王拳」を繰り出して作り、細切れにしていくことで進捗管理をし、期限に向けたよい仕事ができるのかもしれません。
人生のこと
再度、冒頭に上げた言葉をおさらいしてみます。
- 目的のない勉強は意味がない
- 崖を飛び降りながら飛行機を組み立てる
- 仕事は「頼まれなくても自分から喜んで残業するほど楽しい仕事か」どうかで選ぶべき
- やりたいことには思い切って飛び込む
- 自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せになれない
どれも刺さる言葉たちでした。
著書には英語の話が出てきたのですが、単に「英語を学びたい」と思って手を出したのはいいが、全く身につかなかった経験ってありますよね?
私には思い当たるフシがあります。
「崖を飛び降りながら飛行機を組み立てる」は、走りながら考える、という考え方に近いでしょうか?
何事も学んでから行動を起こすのではなく、行動を起こしながら考え、実行するのが正解のような気がします。
仕事の姿勢は「Must」ではなく「Want」が大事。
心がワクワクするかどうか?
自分がそのような姿勢で満たされないと、やっぱり幸せになれないんだなあ、と思いました。
今自分がしている仕事、ワクワクしているでしょうか?
それは、自分が「幸せ」になれる行動でしょうか?
再度、自問自答させられました。
まとめ:この本で、人生を楽しむための仕事の仕方と時間の使い方を学ぼう。
著者の中島さんは、紛れもないスーパーマンです。
我々凡人にはできないような行動力と発想力を持った人であることは間違いないと思います。
とはいえ、考え方や行動の仕方には、とても学ぶことが多いとこの本で感じることができました。
よいと感じたことは行動に移し、アウトプットすることが大切です。
私はこの本の考え方に、ものすごく共感できました。
自分のできる範囲で、界王拳が繰り出せるような修行をしていきたいと思います。
この本は、私にとっての「界王様」になってくれるかもしれません。
あなたも、この「界王様」から学んで、人生を豊かにしていきませんか?
私は主にkindlePaperwhiteとAudibleでの読書を楽しんでいます。
kindlePaperwhiteはスマホ読書と違い通知が来ないので、読書に集中できるだけでなく、目にも優しいと感じています。
スキマを見ては楽天マガジンのサービスを活用して、iPadで雑誌を眺めたりもしています。
1~2冊程度の価格で1,000誌以上見ることができ、ペイできるので愛用しています。
また、Audibleやオーディオブックは「耳活」として、家事などの作業に取り組みながら読書をするのに最適だと思っています。
耳活については別の記事でまとめていますので、よろしければ併せてご覧ください。
それではまた!
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