村上臣さんの書かれた「転職2.0」(SBクリエイティブ)の感想を綴りたいと思います。
この本を手に取ったきっかけは、LinkedInを始めたこと、また、転職のオファーがあったことです。
この本は中田敦彦さんのYou Tubeの解説動画で知ったのですが、その他にもご本人の解説動画もあったり、かなり多く取り上げられています。
それらを見て、書籍も手に取りたいと感じ、よくよく調べたらAudibleでも展開されていることを知り、是非にでもと聴いた次第です。
聴くほどに「もっとインプットしたい」という欲求が強くなり、実は4回リピートしてしまいました。
ぜひ手にとっていただきたい1冊です!
著者の村上臣さんについて
この本を書かれた時はLinkedInの日本代表、現在はGoogleの検索担当ゼネラルマネジャーであり、武蔵野大学で教鞭もとられています。
かつてはYahooでも活躍されていました。
他にも社外取締役をされていたり、複数のスタートアップの顧問をされていたりと幅広くIT関係で活躍されている方です。
株式会社『俺』という考え方
冒頭の1章で、村上さんのかつてのYahoo時代の上司だった宮坂学さん(現・東京都副知事)の「株式会社『俺』」という考え方が出てくるのですが、自分にとっての幸せが最大限になるように意識するという考え方を述べておられました。
株式会社『俺』にはいくつか事業部があり、宮坂さんには「会社事業部」「家族事業部」「アウトドア事業部」などがあるそうです。
そのバランスを意識し、自分自身の幸せの最大化を図る。
この考え方は初めて知りましたし、ものすごく腹落ちするのを感じました。
お金のため、家族のために、自分が何かを我慢するという考え方は一般的とも思ってしまいます。
しかし、「自分にとっての幸せが最大限になるような働き方」は、株式会社『俺』のポートフォリオの組み方なのではないか?と思えるようになりました。
くどいようですが、私自身にとって、この考え方はかなりガツンと来るものがありました。
村上さん自身も、この考え方を聴いてから「株式会社『俺』」の考え方を軸にしてきたと述べていらっしゃいます。
5つのキーコンセプト
この本は「転職2.0」を5つのキーコンセプトに分けて解説されています
- 目的:転職は自分の市場価値を高める「手段」と考える
- 行動:「タグ付け」で自分の希少価値を高める
- 考え方:目指すポジションから逆算してキャリアを考える
- 価値基準:「シナジー」を基準に仕事を選ぶ
- 人間関係:広くゆるいつながりをつくる
これらの5つのキーコンセプトを自分の今の働き方と照らし合わせてみると、今の立ち位置、今までの働き方の考え方というものを、とても考えさせられます。
例えば、自分が今所属している会社での「価値」しか見えていない、外に出たときに自分はどのような市場価値を持つのだろうか、という考え方。
それら=市場価値を示す「タグ付け」を意識しているのか?
今、働いている仕事に明確なポジションと、それに対する評価基準=軸があるのか?
自分の持っているタグが、市場のどんな仕事に対してシナジーを産み、社会へ貢献できるのか?
会社員であれば「自分」を軸にこれらを当てはめて捉えてみると、今の立ち位置がよくわかってくるのではないかと思います。
これらのキーコンセプトを深掘りする
自分の「タグ」を明確にする
タグって一体何なのでしょう?
村上さんは「自分のタグ」を、5つのカテゴリに分けて、それを掛け合わせたものと解説してくれています。
Audibleでは添付資料でも展開し言語化されているので、とても分かりやすくなっています。
- ポジション
- スキル
- 業種
- 経験
- コンピテンシー(強み)
ポジションは現在までに主に経験を積んだ職務、スキルは具体的な資格や能力、業種や経験は言うまでもありませんよね。
村上さんは転職の有無を問わず、自分を棚卸しする意味でも職務経歴書を書いてみることを勧められていました。
私自身も今回のオファーを受け、職務経歴書を書いてみました。
実は過去に何度か転職のオファーを受けたことはあるのですが、職務経歴書を出すこともなくお断りをしてしまったので、職務経歴書を書くまでに至りませんでした。
たまたまLinkedInでVoicyのパーソナリティーでもある澤円さんを見つけ、フォローをさせて頂いたのですが、職務経歴書が公開されていたので参考にしてみました。
澤さんの経験豊かな経歴を拝見しながら、「型」ってこんな感じなのかな?と考えながら自分のことを棚卸ししてみました。
上記の5つのタグの掛け算を意識して書くと、より良いものが書けるのではないかと思います。
それにしても澤さんの経歴書はこれらを見事に満たしており、感服した次第です。
コンピテンシー、つまり「自分の強み」については、実際には自分自身ではよく分からないものです。
過去にTwitter(現在はX)で仲良くしているウルフさんが、私の強みを分析してリプしてくれており、それをブックマークしていたのを思い出しました。
この時はウルフさんがクルマを買おうとしている時で、色々と悩まれていた時期。
クルマの業界にいますので私で良ければと、お手伝いをさせて頂いた時でした。
他の人からロジカルに分析してもらえるのは、大変ありがたいことです。
それと、自分には継続が得意との自覚があります。
亀の歩みでも、何だかんだで放り投げずに続けていく。
これもひとつの強みなのかもしれませんね。
発信の大切さ
これらのタグが意識できたのであれば、そのタグを発信することも大切だと村上さんは説いています。
発信は別の意味でも大切になってきますが、自分がタグの分野において周囲に認知・想起されることが重要だということです。
そうでないと、やはり声はかかりませんよね。
これからはダイレクトやリファラルの採用も増えると想定され、発信し繋がりを持つことで、そのチャンスを広げることも確かに大切だなと感じます。
その手段は何でも良いのかもしれませんが、個人での発信であればX(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSが個人的には合っていると思います。
両方ともに活用するにはアカウントを実名化し、一致させることが必要なのかもしれませんが、個人的にはLinkedInに絞っても良い感じもします。
ポジションと業界を考える
ジョブ型雇用の移行が進むと考えられるため、これからはポジション、とくにその熱さに注目すべきと村上さんは考えているようです。
ポジション・会社・業界にはそれぞれ寿命があり、私達が働く年数より、それらの寿命が早く来てしまうことも想定されます。
東京商工リサーチの調査によれば、企業の平均寿命は23. 3年となっています。
業界の伸びを知るには、村上さんは業界1位の有価証券報告書のサマリを見ることを推奨していました。
非上場のスタートアップ企業は日系・外資を問わず、出資しているファンドやステージと、広報で発表している数字にも注目しても良いかと思います。
仕事はシナジーで選ぶ
会社と個人とがフェアな関係で良い意味で利用し合う関係の構築。
「会社」で仕事を選ぶと、このあたりが希薄になり、自分のタグとやポジション、カルチャーも含めてミスマッチが起こりかねません。
また、次の転職の幅を狭めかねないとも村上さんは説いています。
個人がその強みを基にシナジーを発揮し、会社がそれをサポートできれば、互いにWin-Winの関係になり、確かにハッピーになれると思います。
広くゆるいつながりを作る
ネットワークは色んなチャンスを作ってくれます。
人脈というよりは、広くゆるいつながり。
発信の大切さについても述べておられましたが、ここでもネットワークを作ることでの様々な化学反応を得られると感じています。
リアルでは社内や取引先でのネットワークが限界ですが、今はSNSがある時代です。
リアルではとても繋がれなかった方々とも、どんどんと繋がりを持てる時代になりました。
ネットワークのフラットな関係は転職はもちろん、発想のヒントを得たり、経営者の考え方を学んだり、様々なメリットを享受できます。
実際にXやLinkedInなどのSNSに触れていると、そのようなメリットを多く吸収できていることを実感します。
さらに、そのことで得た「何か」を材料に行動することで、人生の方向性も色々と良い意味で変化をもたらすとも感じています。
本を聴き終えて 望み通りのキャリアとは
かつては何のスキルもなければ35歳転職終了説、と言われていた時代がありました。
果たして今はどうでしょうか?
実際にアラフィフの私もオファーがかかるようになり、既に35歳終了説の時代ではなくなった感覚があります。
社会的には年金受給年齢が上昇し、70歳まであと約20年働くとしても、非常に長い時期です。
トヨタの豊田章男会長も、終身雇用の限界を述べていました。
若い人は勿論、すべての現役世代において、働き方に対する考え方のアップデートは急務と考えておいたほうが良いと感じます。
私達が目指すべきは冒頭で述べた「株式会社『俺』」の考え方に集約されているのではないか?と思っています。
「自分にとっての幸せが最大限になるように意識する」
そのために、どのようにキャリアを考えていくべきかが大切です。
それらを細かく分解し、理論立てて実践まで落とし込んで、村上さんはこの本で解説してくれたのだと思います。
私は主にkindlePaperwhiteとAudibleでの読書を楽しんでいます。
kindlePaperwhiteはスマホ読書と違い通知が来ないので、読書に集中できるだけでなく、目にも優しいと感じています。
スキマを見ては楽天マガジンのサービスを活用して、iPadで雑誌を眺めたりもしています。
1~2冊程度の価格で1,000誌以上見ることができ、ペイできるので愛用しています。
また、Audibleは「耳活」として、家事などの作業に取り組みながら読書をするのに最適だと思っています。
耳活については別の記事でまとめていますので、よろしければ併せてご覧ください。
それではまた!
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